胆のう炎とは

胆のう結石などによる閉塞によって胆汁の流れがよどむと、その部位よりも上流に感染が生じて炎症が起きます。急性胆のう炎と急性胆管炎の2種類について説明します。

まず、急性胆のう炎は、胆のうに細菌が感染して急激な炎症が起きる疾患です。胆のう内に生じた胆のう結石が胆のう管にはまって動かなくなってしまい、胆のう内に戻らず閉塞が続くことで、胆のう内の胆汁の流れが滞ります。これによって、十二指腸から総胆管を通って細菌が感染を起こします。

急性胆管炎は、肝臓の外や肝臓内の胆管に細菌が感染して急激な炎症が起きます。

症状

悪心・嘔吐や右季肋部痛（肋骨の右側、右の肋骨の下、お腹の右上が痛くなること）、発熱などが現れます。

原因

胆のう結石は主にコレステロール系結石と呼ばれます。胆汁の中のコレステロールを増やす肥満や脂質異常症などが原因となります。

検査

血液検査では、白血球やCRPの上昇といった炎症症状があると現れるものが生じます。また、腹部超音波検査や腹部CTを撮像すると、急性胆のう炎では、胆のうの腫大と胆のう壁の肥厚が確認できます。急性胆管炎では、総胆管や肝内胆管の拡張が生じます。

治療

絶飲食、輸液、抗菌薬の投与が行われます。胆のうを取り除く手術や、体内にチューブを挿入し胆汁の流れが滞ったところを解消する処置が選択される場合もあります。

急性胆のう炎では、胆のうに穴が開く穿孔が起き、急性腹膜炎になる恐れがあります。

急性胆管炎では、容易に重症化し急性閉塞性化膿性胆管炎となり、細菌自身やその毒素が血液中に移行する敗血症となって、全身の臓器を侵す恐れがあります。早期に治療することが重要です。