骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなった状態です。骨は細胞によって常に新しく作り直されるという新陳代謝(リモデリング)を繰り返しています。通常はこのバランスが保たれていますが、これが崩れると骨密度が低下してしまいます。その結果骨がもろくなり、骨折しやすくなるのが、骨粗鬆症です。
原因としては、骨を形成するカルシウムやマグネシウムの不足が挙げられます。また、一般に高齢女性の発症リスクが高くなっています。それは閉経後、骨芽細胞を活発にする女性ホルモンである「エストロゲン」が激減するためです。骨密度は非常にゆっくり低下するため、初期の骨粗鬆症では症状はほとんどありません。骨折の治りが遅くなる傾向があり、骨折によって脊椎の弯曲などの変形が生じることがあります。
骨粗鬆症はレントゲン検査で骨密度を測ります。
治療では、カルシウムとビタミンDの十分な摂取を確保するとともに、ウォーキング、階段を昇る、ウェイトトレーニングなどの運動を行います。また薬物治療を検討します。失われてしまった骨密度を回復するよりも、骨密度の低下を防ぐ方が容易であるため、治療よりも予防が大切だと考えられています。骨量が減少している人や骨量減少の危険因子がある人の予防策を一緒に考えていきます。