〈症状〉わずらわしい食後のもたれ感(膨満感)、早期満腹感(食べ始めてすぐに満腹になってしまうこと)、みぞおちの痛み、みぞおちが焼けるような感じの4つのうちの1つ以上が3ヵ月以上続いているのが機能性ディスペプシアです。それ以外にも、胃のむかつき、食欲不振、吐き気、嘔吐など、人によって様々な症状が出現します。内視鏡検査やピロリ菌の有無を調べる血液検査、またその他全身状態に異常がないか調べる血液検査を実施し、胃潰瘍や胃がんなどの病気でないことを確認します。
〈治療〉機能性ディスペプシアの患者さんは、生活の質(QOL)が大きく障害されています。そのため、治療によって症状が改善すれば、QOLも回復するため、適切な治療を受けることが大切です。早めに受診することをお勧めします。
①生活習慣の改善
刺激の強い食べ物や、脂肪の多い食事、アルコール、カフェインなどは、症状を悪化させることがあります。体の負担にならないよう、1日の食事量や1回の食事量を見直してもよいでしょう。
また、機能性ディスペプシアにはストレスが大きくかかわっているともいわれますので、ストレスがかかり過ぎないよう、睡眠や休息を十分に取ることも重要です。
②薬物療法
薬物療法では、症状に応じた対処療法を行います。胃酸の出過ぎを抑える薬や、消化管の運動機能を調整する薬、ストレスを和らげる薬などを服用することがあります。
また、ピロリ菌に感染していることが分かった場合は、ピロリ菌感染症を合併していると診断されて、除菌のための薬物療法(胃酸分泌を抑える薬と2種類の抗菌薬を用いる除菌療法)が行われます。