・検査で分かる病気
胆のう・胆道の病気(胆石、胆のうポリープ、胆のう炎など)、肝臓病(肝硬変、脂肪肝など)、腎臓の病気(腎結石など)
◯胆石:胆石は胆のうや胆管内にできた結晶。ほとんどの胆石は胆のうにでき、胆管に流れ出ます。この胆石により胆管が塞がれてしまうと、胆管や肝臓に細菌感染を起こしたり、膵炎、黄疸の危険性があります。
〈症状〉胆石が胆のうの中にあるとき、症状はありません。胆管に移動し、小さいまま残っているか、無事小腸に流れ出たときも症状はありません。しかし、胆石が胆管を塞ぐと疝痛という引いては繰り返す痛みが起こります。食後30分から2時間に右上腹部の痛み、吐き気、嘔吐が起こります。右上腹部を圧迫したときの痛みが胆石の特徴です。胆管がふさがり、感染がおこると、発熱、悪寒、黄疸がでます。
〈治療〉痛みが激しく続く場合は手術をお勧めします。当院では、患者さんに適した治療を勧め、必要時他の病院に紹介します。
◯胆のうポリープ:胆のうポリープは胆のう粘膜に発生した突起物(隆起性病変)です。胆のうポリープの中で最も多いのがコレステロールポリープです。また多くは数mmと小さいです。しかし稀 に10mm超えることがあり、その場合は多発しやすいという特徴があるため、さらに詳しい検査をお勧めします。
◯胆のう炎
胆のう炎とは胆のうに炎症が生じた状態です。胆のうが浮腫んで腫れ、炎症の進行とともに胆のうの壁が壊死していきます。
胆のう管が詰まってしまうだけではなく、詰まってしまうことに加えて胆汁に細菌が感染したり、胆のう内に膵液が逆流したりすることにより、胆のう炎が引き起こされます。
〈症状〉はじめは上腹部の不快感や鈍痛が起こります。炎症の進行とともに右季肋部痛(右の肋骨の下あたり)になり、次第に激痛になります。
◯肝硬変
肝硬変は肝炎ウイルスや過剰なアルコール摂取によって肝臓内に線維組織が増え、肝臓が硬くなる病気です。肝臓が硬いために起こる腹水や食道静脈瘤と、肝臓の機能が低下するために起こる肝性脳症や黄疸、こむらがえり(筋肉が痙攣してつる)などの合併症が現れます。当院ではそれぞれに対する治療と、肝硬変にならない、進行させないことを第一に診療しています。
◯脂肪肝
肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態。要因としてお酒の飲み過ぎや肥満、糖尿病があり、放っておくと肝炎や肝硬変などを引き起こします。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、余分なエネルギーが脂肪として体内に蓄積されます。その一部は肝臓にも溜まっていきます。この中性脂肪が30%以上、肝細胞の中に溜まっている状態を脂肪肝といいます。
症状はほとんどありません。気づかないうちに肝機能が低下し、やがて肝炎を起こして肝硬変に進行することがあります。早めに対処するためには、食事や運動による生活習慣の改善などを提案します。
◯腎結石
腎臓結石とは、尿の中に含まれているシュウ酸などの濃度が高くなり、カルシウムと結合して結晶化し、それが大きくなったものです。
〈症状〉結石が腎臓にあるうちは、特に症状はありませんが、尿管に落ちてくると突然、わき腹や下腹部、腰の後ろ側などが激しく刺し込むような痛みに襲われます。また、腎臓の機能が低下したり、炎症を起こしたりする場合もあります 。
〈治療〉結石の大きさや状態、原因などによって異なります。尿と一緒に自然に排出されると判断されたら、水分摂取や内服薬で経過を観察する場合が多いです。一方、結石が大きかったり、感染を併発していたりする場合、結石を砕き、取り出す外科的治療を行います。その場合は、他の医療機関をご紹介します。